愛犬家通信 vol.82

「えっ、夏太り!? 夏バテのまちがいじゃあ?」と思いますか?もちろん今年も猛暑と予告されている夏、暑さに弱い愛犬が夏バテ しないかどうか心配ですよね。でも、注意したいのは、暑さに良くよくが減退し、ぐったり夏バテしてしまうワンちゃんだけではありません。

防ごう! 愛犬の夏太り

夏バテ or 夏太り

野生動物であった犬は、冬場は体温維持のために基礎代謝量が増えます。また、それを維持するための食事量を必要としていますが、 暑くなると自然に落ち、夏の暑さに対応するために体脂肪を減らすといわれています。また、暑さで運動量が低下するので、食事量も少なくて済みます。
でも、現在は、猛暑で朝から晩までエアコンをつけた快適な部屋にゴロゴロする愛犬。朝晩の散歩だって、短めに切り上げないと熱中症に なってしまったら大変ですし、第一、飼い主が暑くてたまりません。こんな日本の夏、飼い主も愛犬も快適な冷房下で過ごす時間が長く、食欲が 普通にあって、普通に食べていて、そして・・・運動不足。結果は当然「夏太り」という現象を生み出すのです。
肥満は犬に、足や腰の関節と心臓への負担、運動の困難からくる運動不足などの悪影響を及ぼします。「ぽっちゃりしてて可愛い!」と呑気なことを 言っていられないわけです。

愛犬のボディ・コンディションを知ろう

犬が太っているか痩せているかは、一概には言えません。犬種による違いもかなりあるからです。サルーキーやイタグレなどのサイトハウンド系の 犬は一見かなり痩せて見える体型です。一方、ブルドックなどの重心が低く、片ががっしりした犬は太って見えますが、外見だけでは決められません。
もちろん犬種ごとの標準体重がありますので、体重を測定することで判断できます。ただ、これもその犬種の標準的大きさの犬ならいいのですが、 標準より大きかったり小さかったりすると、体重だけで判断できません。
そこで活用されているのが「ボディー・コンディション・スコア(BCS)」という判定方法です。これは犬を真上から見たその見た目と、触った 感触を「痩せすぎ/痩せている/標準/体重過剰/肥満」の5段階で判定しています。腰のくびれ具合で判断する見た目に、軽くダッチして肋骨や背骨に触れる 感触を合わせて判定します。
基本的に太りにくい体質のサイトハウンド系の犬種に対して、レトリバー系の犬種などは、水の中に入って仕事していたため、寒さから身を守るために 脂肪が付きやすい体質です。もちろん寒い地方で運搬や牧畜の仕事をしていた犬種も脂肪が付きやすい上に、もともとこなしていたかなりの運動量を、 日常の生活でこなしきれず、運動不足になりがちです。さらに、チワワやミニチュアダックスなどの小型犬は、可愛い・可愛いと甘やかして、おやつのみならず、 人間の食べ物などをあげがちです。
つまり、私たちの家庭で暮らす犬たちには、太りやすい条件がそろっているわけです。

夏こそ体調管理と体重管理を

フードの給餌料などの表示は、犬種などであまり細分化せず、一般的な体重の犬への適正量が表示してあります。体質や暑さによる運動不足などを考慮せずに 冬場と同じ量や単純に表示してある適正量を与えていては、愛犬の夏太りは避けられません。