愛犬家通信 vol.75

今回は、春から夏にかけての厄介な寄生虫のお話です。ノミやダニももちろん困りますが、大事な家族の健康を守る上で、 犬フィラリア症の予防は、飼い主さんが絶対責任を持ってあげたい重要なことの一つです。

犬フィラリア症についてのお話

感染経路

蚊が媒介します。感染している犬の血を蚊が吸うことにより、フィラリアの幼虫が蚊の体内に移動し、その蚊が健康な犬の血を吸う時に、 感染できる状態に成長した虫が犬の体内に移動します。

症状

犬フィラリアという寄生虫は糸状の細長い形状をしていて、犬の肺動脈や心臓に寄生し、血流を悪くさせ様々な症状を引き起こします。 元気や食欲がなくなり、咳をして呼吸が苦しそうになります。症状が進行すると、お腹が異常に膨らんできたり、血尿が出たりして、放置すると 死に至る怖い病気です。

治療

成虫が死ぬと血管に詰まったりして危険なので、薬でいっぺんに除去したりはできません。手術はかなりのリスクを伴い、また完全に 寄生虫を除去できる可能性は高くありません。つまり、治療に関しては効果的な決定打はありませんので、症状を軽減しながら犬の体力次第の 対処療法になってしまうケースが多くなります。

予防

予防薬の飲み薬を毎月1回、1ヶ月間隔で摂取させることにより、体内に入り込んだ寄生虫を1ヶ月に1回一斉に殺してしまう方法が一般的です。 この寄生虫は成虫になり心臓などに寄生するまでに約2〜3ヶ月かかる為、蚊が発生してから1ヶ月後に最初の薬を飲み、蚊を見かけなくなってから 1ヶ月後に最後の薬を飲むことで、100%予防することができます。
蚊の発生時期が居住地域によって異なるので、投薬時期も居住地域で変わります。また、薬の量は、犬の体重で変わりますので、しっかり獣医さんに 相談して予防しましょう。
途中の投薬を忘れたり、最後の飲み薬を飲まないと、感染の危険性が高まりますので、自己判断は止めて獣医さんの指示に従って下さい。
また、既に感染してしまっているのに予防薬を飲むと、死んだ成虫が血管に詰まって危険です。毎年フィラリア予防を始める前に血液検査をするのが おすすめです。