愛犬家通信 vol.73

皮毛や目・花などは目に見えますから、異常があれば比較的早く気付くことができます。でも、お口の中や歯は、何か異常があっても なかなか気付かないものです。特に口の奥の方の異常は犬が嫌がって見せなかったり、触らせなかったりしますと見つけられませんね。 普段から口の中を触らせる習慣をつけるとともに、歯石や歯肉の状態をチェックしておくことが大切です。

アイドルは歯が命!A

犬の歯周病

犬の歯周病とは、歯肉炎(歯茎に炎症が起こること)や、歯周炎(歯肉炎がひどくなり、歯を支える膜や骨が破壊されること)のことを まとめた総称です。
【犬の歯周病 主な症状】
・口の中が出血している
・口臭がする
・歯に異常がある
・食欲が落ちる
歯周病にかかると、出血したり口臭がする。炎症や腫れ、痛みのために食べ物を口に入れることが億劫になり食欲が低下する。 おもちゃやボールなどもくわえたがらなくなるので、遊ぶ頻度が減り、元気がなくなったように見える。歯がグラグラし、やがて歯が抜けるなどの 症状が現れます。

ホームケアの必要

犬は、私たち人間とは口の中のPH値の違いなどから、虫歯になりにくいのですが、非常に歯石が溜まりやすく、結果、歯周病が進行しやすい状況にあります。 歯周病が進行すると、歯周病菌が胃や腸に入ったり、血管から血流に乗って心臓や肝臓などに到着し、様々な内蔵疾患を引き起こしたりもします。 もちろん口に近い鼻や目、脳などの病気も引き起こし、まさに全身疾患の原因になっています。歯や歯周組織の健康状態は、単に口の中だけではなく、 全身の問題として捉える必要があるということです。
野生の状態ならば、硬い皮や筋の多い肉等を噛むことによって歯垢はほとんど付きませんが、ペットフードではそうはいきません。 飼い主さんが管理しなければ、愛犬の歯周病の進行は食い止めることはできません。柔らかい歯ブラシを使って歯磨きをしてあげることがペットの歯周病防予防に 最も効果的です。
できれば毎日歯磨きをして歯の表面を清掃するとともに、歯肉のマッサージをしてあげましょう。また、毎日口の中を見ることによって、口内炎や出血、歯の 傷や欠けなど、いろいろな異常を早期に発見することができ、愛犬の健康が守られます。