愛犬家通信 vol.58

街を歩いていて、目のまわりが赤茶色に染まってしまい、まるで人間のクマのようになっているワンちゃんを見かけた覚えはありませんか? また、ご自身の愛犬がそのような症状になって、悩んでいる飼い主さんはいらっしゃいませんか?それらの症状は「涙やけ(正式名称:流涙症)」といい、 涙がたくさん出ることでワンちゃんの目頭が汚れ、目のまわりの被毛が茶色に変色してしまう病気です。毛色が薄いワンちゃんや、目が大きいワンちゃん、 鼻が低いワンちゃんなどに涙やけはよく見られます。一度涙やけになってしまったら、変色してしまった被毛を元に戻すのはなかなか難しいものです。 今回のコラムでは、涙やけにならないために、涙やけの原因から対策、ケアについてご紹介いたします。

ワンちゃんの目にクマ? 涙やけについて知ろう

涙やけとは?

涙やけとは、涙に含まれる成分によって、目のまわりの被毛が赤茶色に変色してしまう症状のことを言います。
また、被毛が変色するだけでなく、涙とともに出る目やにが皮膚などを汚してしまい、その部分に湿疹が発生することもあります。

どうして涙やけになるの?

涙やけは、涙が正常に流れるためにある、目と鼻をつなぐ涙小管が狭かったり、つまっていることが原因によって起きることが多い症状です。 また、先天的なものや、角膜炎・結膜炎・鼻炎などが原因で起こる場合もあります。
それ以外にも、フードの成分(たんぱく質・添加物・合成保存料など)がワンちゃんに合わず、栄養バランスが崩れてしまい、涙やけの原因になることも あると言われています。

涙やけになりやすい犬種

【目が大きな犬種】
目が大きなワンちゃんは、通常のワンちゃんよりも目が乾燥しやすいため、正常時でもより多くの涙が出てしまい、涙が溢れて目のまわりの被毛につき、 涙やけになってしまうことがあります。

【鼻が短い犬種】
鼻が短いワンちゃんは、鼻涙管(涙が目から鼻・口へと降りるための管)が屈曲していたり、管が狭くなっていたりするために、涙が正常に降りて くることが出来ず、目から涙が溢れて涙やけになってしまうことがあります。

【被毛の長い犬種】
被毛の長いワンちゃんには、逆さまつげなど、目が何かしらの刺激を受けていることが原因で、涙が通常より多く出てしまって涙やけになる場合があります。

涙やけの対策・ケア

涙やけにならないようにするには、市販の涙やけローションなどをコットンにつけ、目のまわりをこまめに拭いてあげましょう。 涙やけを防ぐためには、目のまわりを常に清潔に保ってあげることが大切です。
また、ドッグフードを低アレルゲンのものに変えてみる(手作りフードの場合は肉食を主体にしてみる)など、愛犬の体質に合わせたフードを 選んであげましょう。フードは毎日摂取するものですから、ここに原因があるとしたら大事です。
涙やけになってしまった場合には、涙やけローションなどで目のまわりをやさしく拭いてケアしてあげてください。
涙やけの予防には、愛犬が嫌がらずに目のまわりを触らせてくれることがとても大切です。最初は嫌がるかもしれませんが、毎日少しずつ慣らしてあげるように しましょう。毎日の目のケアも、愛犬との良いコミュニケーションだと思って、焦らずにゆっくり楽しんで続けていくことが、涙やけ予防につながります。