愛犬家通信 vol.55

みなさんは、ワンちゃんやネコちゃんのウンチをきちんと毎日チェックしていますか?「臭いからすぐに捨てちゃう!」「あまりよく見たことがない」 という飼い主さんは多いかもしれません。でも、ウンチはとても大切な健康のバロメーターです。体調が良ければ良いウンチが、体調が悪ければ悪いウンチが 排泄され、ワンちゃん・ネコちゃんの体調に大きく関係しているのです。今回のコラムでは、「良いウンチの見分け方」や、「いつもと違ったウンチが出た場合に 考えられる原因」についてご紹介したいと思います。

良いウンチ? 悪いウンチ?

良いウンチとは?

@細長い形をしており、コロンとしていていくつかにまとまっています。
Aある程度の水分を含んでいて、少し艶があるのが理想です。
B色は濃い目の黄土色が基本ですが、フードによって多少異なることがあります。
C掴んでも崩れずに拾い上げられるくらいの固さが理想です。

いつものウンチと違う場合に考えられる原因

【いつもよりも臭い】
いつもと違うものを食べたり、おやつやフードの食べ過ぎによって消化不良になり、未消化の食べ物がウンチに混ざっていると、臭くなることがあります。 また、穀物や油分が多いものを食べた時も臭くなります。

【いつもより柔らかい】
腸の中に細菌やウィルスが異常に発生してしまっているか、感染症や中毒を起こしている可能性があります。また、水分の摂り過ぎや腐ったものを食べた時、 脂肪分の多いものを食べ過ぎたり、急に新しいフードに切り替えることによってアレルギー性の腸炎を起こしている場合もあります。
さらに、ストレスなどの精神的な要因からウンチが柔らかくなることもあります。

【いつもより固い】
お肉類をたくさん食べていたり、フードの量が少なかったり、カルシウムを多く摂っている場合などにウンチが固くなるなる場合があります。 また、消化機能に合わないフードを食べる場合にも、固くて量が少ないウンチになることがあります。

【いつもとウンチの色が違う】
●黄色や緑がかった色:小腸で充分な消化吸収が行われておらず、急スピードで通過が起こっている状態が考えられます。
●黒い:小腸内で出血が起こっているサインであると考えられます。
●ペースト状で薄い色:正常なウンチの色合いを付ける胆汁が不足しており、肝臓が原因で起こっている可能性があります。
●白っぽい・灰色:すい臓の機能が低下してる場合や、カルシウムなどのサプリメントの過剰摂取が原因となっていると考えられます。

【ウンチに血が混ざっている】
消化器系のどこかで出血が起きているサインです。鮮やかな赤い色の血が混じっている場合は、ウンチが出る直前にある大腸からの出血であると考えられます。また、黒っぽい血の場合には、小腸や胃での出血が起こっていることを示しています。ウンチに血が混じっている状態が続くと、 さらに状態が悪くなり、貧血も進行する恐れがあります。出血が続く場合には、早期に動物病院に診察に行きましょう。

【ウンチに膜がかかっている】
ウンチにかかっている膜は、いわゆる腸の粘膜のようなものです。柔らかいウンチが続くと、普段よりも腸が働きすぎてしまうために、腸粘膜が剥がれた状態になり、そのまま腸炎が起こる可能性があります。また、ガムなどをたくさん食べた場合にも、膜のかかったウンチをする場合があります。

【ウンチに異物が混ざっている】
何か異物を食べてしまった際、消化できない場合にはウンチに混ざって出てきます。また、お腹の中に寄生虫がいる場合には、白い米粒のようなものや細長い寄生虫がウンチに混ざって一緒に出てくる場合があります。

ウンチの状態をチェックしましょう

このように、ウンチはその日のペットの健康状態や、毎日のフードがちゃんとそのコに合っているかどうかなど、いろいろなことを教えてくれます。 ウンチの状態をチェックすることで、ちょっとした体調の変化にも気づくことができるのです。ワンちゃん・ネコちゃんの健康のためにも、 飼い主さんがウンチとしっかり向き合ってみることが大切ですね。