愛犬家通信 vol.7

今回も春から夏にかけての厄介な寄生虫のお話です。ノミやダニももちろん困りますが、大事な家族の健康を守る上で、フィラリア症予防は、飼い主さんが絶対責任を持ってあげたい重要なことのひとつです。

季節の健康管理2 〜春先の準備(3)〜

犬フィラリア症について

感染経路
蚊が媒介します。
感染している犬の血を蚊が吸うことにより、フィラリアの幼虫が蚊の体内に移動し、その蚊が健康な犬の血を吸う時に、感染できる状態に成長した虫が犬の体内に移動します。
症状
犬フィラリアという寄生虫は糸状の細長い形状をしていて、犬の肺動脈や心臓に寄生し、血流を悪くさせ様々な症状を引き起こします。
元気や食欲がなくなり、咳をして呼吸が苦しそうになります。
症状が進行すると、お腹が異常に膨らんできたり、血尿が出たりして、放置すれば死に至る怖い病気です。

治療
成虫が死ぬと血管に詰まったりして危険なので、薬でいっぺんに除去したりはできません。手術はかなりのリスクが伴い、また完全に寄生虫を除去できる可能性は高くありません。つまり、治療に関しては効果的な決定打はありませんので、症状を軽減しながら犬の体力次第の対処療法になってしまうケースが多くなります。
予防
予防薬の飲み薬を毎月1回、1ヶ月間隔で摂取させることにより、体内に入り込んだ寄生虫を1ヵ月に1回一斉に殺してします方法が一般的です。
蚊の寄生虫は成虫になり心臓などに寄生するまでに約2〜3ヶ月かかるため、蚊が発生してから1ヵ月後に最初の薬を飲み、蚊を見かけなくなってから1ヵ月後に最後の薬を飲むことで、100%予防することができます。
蚊の発生時期が居住地域によって異なるので、投薬時期も居住地域で変わります。また、薬の量は犬の体重で変わりますので、しっかり獣医さんに相談して、予防しましょう。
途中の投薬を忘れたり、最後の飲み薬を飲まないと、感染の危険性が高まりますので、自己判断は止めて獣医さんの指示に従って下さい。
また、すでに感染してしまっているのに予防薬を飲むと、死んだ成虫が血管に詰って危険です。毎年フィラリア予防を始める前に血液検査をするのがおすすめです。