愛犬家通信 vol.5

寒い日、暖かな日を繰り返しながら、待ち遠しい桜の季節がやってきます。
この時期、飼い主さんの元に届く一通の春の便り・・・「狂犬病予防注射の通知はがき」。
という事で、今回は狂犬病についての正しい知識です。

季節の健康管理2 〜春先の準備(1)〜

狂犬病ってどんな病気?

犬だけでなく、ほぼ全ての哺乳類が感染する感染症です。
動物だけの病気でもなく、動物から人・人から動物へ感染する「動物由来感染症」とか「人獣共通感染症」と呼ばれる病気の1つです。

発症すると、大量のヨダレと脳神経や筋肉のマヒ、また、脳が破壊される事により凶暴化し、死亡してしまいます。
発症後の死亡率はほぼ100%で、確立した治療法のない怖い病気です。

狂犬病予防法・・・なぜ法律なの?

日本には「狂犬病予防法」という法律があり、生後3ヶ月を過ぎたワンちゃん(91日以上)への狂犬病ワクチンの予防接種と飼い犬の登録及び、そのあとは毎年1回の接種が義務付けられています。

現在日本は、狂犬病撲滅に成功している世界でもわずかな国の1つです。しかし、世界的には、南極を除く全ての大陸で感染が確認されていて、毎年50,000人以上が死亡しています。

犬に限らず狂犬病に感染している動物がペットとして、また、ネズミ・コウモリ・アライグマ・キツネなどのあらゆる野生動物が、海外から日本へ持ち込まれる可能性は避けられず、ウィルスの日本への侵入を防ぐのは、事実上不可能です。
つまり、国内で感染する可能性が十分あります。にも関わらず、厚生労働省の調査では、国内の予防注射実施率は約40%と、流行を防ぐために必要とされるWHOガイドラインの70%を遥かに下回っています。